赤星君で メモってます…。


by red-ba-bara
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

蟻とキリギリス

c0093848_15263850.jpg


暑い太陽の照りつける夏。ある森の小さな草むらで、蟻たちは一生懸命に食糧を探しては巣穴へと運んでいきます。
 「やあやあ君たち。今日もご苦労なことだね」
 突然、上のほうから声がしました。蟻はいったん手を休めると、声のしたほうを見上げました。
 そこにはえんび服を身にまとい、ヴァイオリンを手にしたキリギリスが優雅に蟻を見下ろしていました。
 「いいえ、キリギリスさんこそご気楽な身分ですねえ」
 蟻は、額の汗をぬぐいながらそう言いました。その言葉にはわずかながら皮肉がこもっていました。キリギリスは全く気にしませんでしたが、一応言い返しました。
 「とんでもない。僕の仕事だって君たちに負けないぐらい大変なことなんだよ。僕の演奏がこの森の住人みんなに安らぎを与えていることぐらい、君にも分かるだろう?」
 「それに」
 キリギリスは、演奏の準備を始めながらさらに続けました。「演奏することが僕の楽しみでもあるし、生きがいでもあるんだ。君はその仕事に生きがいを感じているのかい?」
 「生きがいも何も……。この食べ物のある季節にしっかり探して蓄えておかないと、冬に餓死しちゃうからね。それじゃ、僕はこの辺で失礼するよ」
 蟻はキリギリスの止める間もなく、食糧を探しに行ってしまいました。
 「やれやれ」
 キリギリスは軽く首を振ると、手にしていたヴァイオリンを弾き始めました。
 まだ朝露の残る草むらに美しい旋律が響き渡ります。自分で上手い言っているだけあってなかなかのものです。彼の演奏によって、この草むらの住人たちも元気づき、仕事に精を出すのでした……。

     ネオ・ノベル「真・蟻とキリギリス」 …より抜粋
 
     赤星君…マクロで。
[PR]
by red-ba-bara | 2006-09-12 15:29